メダカを元気に飼育するにはバクテリアが大事で、そのためには赤玉土が良いっていう記事を書きましたが、今回は赤玉土と並ぶほどの人気がある大磯砂(南国砂)についてです。
メダカを飼うときに容器の底に敷く代表的なものとしてソイルや赤玉土といった土系の物と、大磯砂のように砂や砂利系といった種類があり、さらにその中でも色々種類があるのでいったい何を選んだら良いのか迷いませんか?
迷っているなら大磯砂を選んでおけば間違いありません。
いままでに金魚やメダカ、亀などの水性生物を飼ったことのある人は、見たことがあるだろうし、使ったこともあるであろう大磯砂。学校に水槽があった人も記憶の中の砂は大磯砂じゃないですか?
そもそも大磯砂ってなんだろう?
大磯砂はメダカ飼育の初心者からプロまで幅広い人が使っていて、熱帯魚を飼育している人も使うぐらいの砂ですが、その大磯砂ってどんな砂か知ってますか?
大磯砂は昔の名前?
大磯砂は神奈川県の大磯海岸で採取されていたことが名前の由来と言われています。
採取されていたという過去形なのは、昭和40年代に砂利採取法という法律が施行され、それまで海や川などで自由に取ることができていた砂が許可制になり大磯海岸の砂は採取許可が出なくなったためです。
ですので今ショップに並んでいる大半の大磯砂は名前だけで中身は大磯海岸産ではありません。(中には中古で売ってる本物の大磯砂もあるかもしれません。
いまはどこで採取されているのか
現在ショップで売られている大磯砂と書かれている砂は海外の海岸で採取された砂を輸入して販売しています。ほとんどが東南アジアなどの南国で取られているため、南国砂というパッケージで売られていることもあります。
海外で採取されたからといっても、基本的に大磯海岸で取られたものと大差ないため使用方法なども変わりません。
砂の粒は大きさの種類があります
大磯砂には粒の大きさが大、中、小と種類があるので、それぞれの特徴を紹介しておきます。
- 大粒
けっこう大きめで小石のような感じ
砂と砂の間が広いので通水性が良い
通水性が良いだけにゴミや餌の食べ残しが間に入り込み飼育容器の底に溜まっていく
水草を植えようと思っても水草が根を張るにも不向きなため、水草を植えるにはむいていない
川砂などと組み合わせて使うと、自然の川のような雰囲気がだせる
- 中粒
売っているものは、中粒が多いので手に入りやすい。
流通量が多く使っている人も多いので他の飼育者から情報も手に入りやすい。
水草が育たないこともない。
- 小粒
まずホームセンターなどでは目にすることがないであろうサイズ
通水性もある程度維持しながらも水草の根も張りやすいのでうまく使えば水草も元気に育つ
メダカと一緒に飼う人も多いドジョウにも優しい
なぜ大磯砂を使うのがオススメなのか
それでは大磯砂(南国砂)をメダカの飼育にオススメする理由を見ていきましょう。
普段の手入れが簡単
大磯砂(南国砂)は小さな石なので、多少乱暴に扱っても粉々に砕けることはなく、手入れのために何度洗っても再利用できます。
実際に自分は何年も洗っては使い洗っては使いを繰り返し10年以上は使ってます。
ソイルという土を固めた底床もありますが、ソイルは洗って何度も再利用するって使い方はできません。
そもそもソイルは洗うっていう使い方をしませんが・・・
赤玉土も基本的は土なので、どんどん崩れてきます。
ソイルや赤玉土にもメリットはあるのですが、どうしても崩れてくるし最終的には泥状になり廃棄する必要がでてきますが大磯砂なら一生使えます。
飼育容器の掃除が簡単にできる
メダカを飼育していると、どうしても容器の底に排泄物やゴミ、餌の食べ残しが溜まっていきます。
ですので定期的に水換えと併せて底のゴミなどを排出するのです、大磯砂なら少々手荒に掃除用品でザクザク刺しても問題なく掃除できます。
それにゴミなどより重たい石なので掃除のパイプに吸い込まれることなく、ゴミなどだけを分離して吸い出すことができるのです。
うちでは100均でも売っている灯油ポンプみたいな掃除用具を使用して水換えをしています。
川砂などの砂も再利用できるので使ってるいる人も多いと思いますが、底床掃除で砂ごとゴミを吸い出してしまう経験をした人も多いと思います。
しかし大磯砂(南国砂)なら小さな石なので吸い出されることなくゴミだけを吸い出すことができます。
簡単に手に入るし安い
大磯砂(南国砂)は生体(生き物)を売っていないホームセンターでもアクアリウムコーナーに行けばほぼ間違いなく売っていますよね?
それにソイルや麦飯石といった特殊な石に比べて安い。
メダカの飼育に興味が出たけど、そこまでお金をかけたくないって初心者の人でも手が出しやすいですね。
メダカの色を濃くしやすい
多くの魚は周りの環境に合わせて体色が濃いくなったり薄くなったりします。
これは保護色といって多くの魚がもっている能力なのですが、大磯砂(南国砂)は濃い色のものが多いので水槽で飼っていても魚の色が濃いくなります。
せっかく飼うなら綺麗に見たいですよね。
底面ろ過をする場合に最適
底面ろ過とは水を綺麗にするろ過の方法の1つですが、水槽などの底に設置して使うため底床全体をろ過材として使い高いろ過能力があります。
低床とは大磯砂やソイルなどの底に敷いている物のことです。
どんなろ過方法でも定期的にメンテナンスしないといけませんが底面ろ過の場合、底床の目詰まりや底面ろ過装置の底にゴミが溜まってきたのを掃除する必要がでてきます。
ソイルや細かい砂はそういったメンテナンスがとてもやりにくいです。
大磯砂(南国砂)は前述したように通水性に優れているので、目詰まりもおこしにくいし、メンテナンスもやりやすいのです。
大磯砂を使うデメリット
大磯砂を使うことのメリットを書きましたが、もちろんデメリットもあるので紹介します。
使用初期には水質をアルカリ性に傾ける
大磯砂がなぜ水質をアルカリ性に傾けるかというと、大磯砂の採取場所に関係があります。
採取場所は最初に説明しましたが、外国の海岸です。
日本の海岸でも良いので想像してみてください。砂浜の砂に貝殻の破片が混ざってませんか?
海外の海岸でも同じことがいえ、輸入してきた大磯砂には貝殻やサンゴが混じっています。その貝殻やサンゴが使っている間に溶け出して水質をアルカリ性に傾けるのです。
大磯砂自体にアルカリ性に傾ける性質はないので、貝殻やサンゴがすべて溶けきってしまえば影響もなくなります。
大磯砂を使用する前に酸処理という混ざった貝殻やサンゴを溶かすって方法もありますが、アルカリ性といってもメダカ飼育すうえでは、そこまで気にするレベルではありませんので普通に使う量なら気にすることもないでしょう。
酸処理は処理後が少しめんどくさいですしね。
水草を育てるのに向いていない
ソイルや赤玉土のような土に比べると大磯砂は石なので養分もなく根を張っても養分を吸収するってことができません。
通水性が良いことが水草を育てるうえでも弱点になり、水草が根を張っても簡単に抜けてしまうので、ドジョウなどの砂を掘るような魚がいると抜けてしまうのです。
小粒の大磯砂であれば、砂の中に肥料を埋めるなどすることで、水草を綺麗に維持することも可能でしょう。
ですが肥料の成分が隙間から溶け出して苔が蔓延する原因ともなってしまいます。特に糸状苔(アオミドロ)が発生したら駆除するのは容易ではありません…
ですので大磯砂で水草を育てるっていうのは諦めた方が早いと思いますよ。
飼育容器にキズをつけるかも
大磯砂を手にとってもらうとわかるのですが、海岸で取れただけあって角がとれて丸くなっています。
でもどんなに丸いといっても小さな石ってことは変わらないので、ガラス水槽やプラケースのような容器の中に落としたり、中でシャカシャカ洗ったりしたら飼育容器がキズだらけになってしまいますよ!
飼育容器に絶対キズをつけたくないって人はソイルなどの柔らかい底床をオススメします。
石なので処分に困る
ソイルや赤玉土は廃棄するときにはプランターに混ぜ込んだり庭に埋めれば、もともとが土なので自然にかえりますが、大磯砂は小石なのでプランターには使えないし庭に埋めるぐらいしかできませんね。庭がない人は埋めることもできません。
石だからいって近所の川などに捨てないようにしましょう。不法投棄になりますよ。地域のルールにもとづき処分してください。
用意した大磯砂の使用方法
大磯砂を買ってきたら、袋を開けてそのまま水槽などの容器に入れる前に、やることがあるので、確認しておきましょう。
大磯砂は洗ってから
買ってきた大磯砂にはゴミなどが付着しているので洗い流す必要があります。販売メーカーによっては塩分がついたまま販売しているかもしれません。
キズがついても良いバケツを用意して、その中に大磯砂を入れます。
バケツの中にシャワーを勢いよくかけるだけでも結構な量のゴミが浮かんでくると思うので、その水を捨てて再度水を入れかき混ぜるって方法を何度かします。米とぎのやり方と同じですね。
自分は5回ぐらいやって終わってます。
余裕があれば少量ずつ洗った方が綺麗に洗うことができます。
まとめ
大磯砂はメダカの飼育をはじめようと思っている初心者の人がどんな底床を使うか迷っているなら、間違いなくオススメできます。
ソイルがショップやホームセンターで大々的に陳列されている中で大磯砂は棚の下の方にひっそりと陳列されていますが、結構万能に使うことができる底床なのです。
とりあえず大磯砂のような使いやすい底床で飼育について馴れてきたら他の底床も使ってみたらどうでしょうか?
大磯砂のおさらい
大磯砂の長所
- 価格が安い
- 手に入りやすい
- ほぼ永久的に使える
- 通水性に優れている
- 角が取れているので生体がケガしにくい
- 色が濃いので魚の発色が良くなる
大磯砂の短所
- 設置初期では水質をアルカリ性に傾ける
- 水草を育てるのにはむいていない
- 水槽にキズが入るかも
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